青色スケッチ

あれは、この世に生を受けて２０年ほどたった頃だろうか。

自動車好きは今と変わらず、レンタカー会社に勤めていた頃の話だ。

ピアッツァＸＪターボを相棒に、ありとあらゆるところを走っていた。
運転技術にも自信があり、我がもの顔で走っていた。

「下手くそなヤツは道を譲りな」と粋がっていた。

ある人に
「運転の下手なヤツには困ったもんですよ」
「俺が避けてやらなきゃ危うく事故になるとこでしたよ」と言った。

すると、その人がこう言った。
「そうだな、けどな、お前より運転の上手い人が、お前の下手くそな運転を上手に避けてくれてるから事故にならないんだぞ」

青天の霹靂とはこういうことを言うのか。
俺は急に恥ずかしくなった。

本当に運転が上手な人は、周りに優しい人なんだ。
男は強くなければならない。
優しくなくては生きている意味がない。（ん？どっかで聞いたな）

それから俺は周りの人たちに優しくしようと心に決めた。





ということが、あった事にして下さい。
まあ、そういう事ですよ。

煽られても「アクセルを緩める」とか「急ブレーキを踏む」ようなことはしないで下さいね。


それでは